妄想の在宅ワーク

ひで３は一日にかなりの数のメールを受信するのですが（ほとんど見ずに捨てますが）、そのメールの文面で良く目に付くのが「在宅ワーク」の文字！

ネットで紹介されている在宅ワークは悪徳商法と思って間違い無いと思いますが、中には「全部が全部悪徳のはずはないだろう」とか、「自分の見つけたサイトは絶対大丈夫だろう」などと、ヘンな思い込みをして自分を窮地に追い込んでいく人も多くいます。

こういう人たちは自分の現状があまり良くないので、なにか打開策が欲しいと思っているけれど、だからといってあまり大変な思いもしたくは無いと考えている人たちだと思います。こういう人たちはまさにカモ中のカモ！ネギどころか鍋とガスコンロ持参で来るようなものです。

実際、上記のような人たちによって収入を得ているサイトも少なくありません。（お小遣いサイトで大手と呼ばれるところは、すべて当てはまるでしょう。）「自分でもできたのだから、あなたにでも出来る！」などと、マルチ商法で使われている文句で訪問者を誘っています。

ネット上では開くの代名詞になってきている「在宅ワーク」ですが、その意味は自宅で出来る仕事はすべて在宅ワークという言葉に当てはまると思います。

でも、在宅ワークって、そんなにいいものなのでしょうか？こういう人たちは自分の自宅が仕事場になるということの意味が良く分かっていないのだと思います。

朝、出勤する時間が無いから朝寝坊できると思っているのでしょうか？本当に自分の好きな時間に仕事が出来ると思っているんでしょうか？結構稼げるとでも思っているんでしょうか？仕事がどんどん来るとでも思っているんでしょうか？本当にこれらが事実なら、ひで３もさっさと会社を辞めて在宅ワークを始めます。でも、実際には上手い話は無いのです。実際に無い話だから悪徳商法が出てくるのです。

在宅ワークの疑問点として、「自宅が仕事場になる」ということがどういうことか、少し冷静になって考えたほうがいいです。外に働きに出れば、仕事が終わって自宅に帰ってくれば、そこには仕事はありません。当たり前の話ですが、これは結構重要です。仕事とプライベートの区別がキチンとされているからです。自宅は自分の空間であり、仕事から解放される場所でもあり、自分の最後の砦でもあるからです。こういう場所があるということは人間にとって非常に重要です。これをなくしたら人間は平常でいられなくなります。「自分が安心していられる場所」の確保は、人が生きていくうえで無くてはならないモノの一つでしょう。

でも、これが自宅で仕事をするようになったら・・・自宅に自分が安心していられる場所がなくなり、他にその場所を求めるようになります。仕事が支障もなく万事うまくいっているのなら問題も無いのですが、なにかトラブルが起きれば（必ずあると思いますが）同居している家族がいれば家庭内はいやな空気になりますし、一人身でも外に行ってストレスを発散するようになるでしょう。ましてや在宅ワークを希望している人の中には小さい子供を抱えたお母さんもいますが、仕事をしながら育児などというのは絶対不可能だと思います。仕事をしていれば子供の存在は邪魔になりますし、仕事が思うように上手くいかなければ虐待の原因にもなりかねないです。

自分の好きな時間に仕事が出来るわけもありません。外に仕事に出ていれば、その時間内で仕事を終わらせようと自然に考えると思いますが、これが自宅だと、本人がキチンと時間管理していなければ、仕事に当てる時間を確保するのは難しいです。１〜２時間で終わる仕事でも、自宅という環境がスピードや正確さという、仕事に不可欠な要素をダメにしてしまうと思います。

会社勤めなら仕事があるかないかを気にしなくてもいいですが、在宅ワークなら基本的に社員ではありませんし、いつも仕事を出す側と顔をあわせるわけでもないので、仕事を発注する側とある程度のコミュニケーションは必要になってきます。それと仕事を取る営業力も必要です。少しでも割りのいい仕事にありつくには、それなりの苦労も必要になります。

実際の在宅ワークは「自分で品物を取りにいき、仕事が終われば自分で納入しなければならない」のです。最初から最後まで自宅で出来る仕事なんてありません。在宅ワークの極致のような漫画家や小説家も、編集と外で打ち合わせしますし、取材旅行をして作品に必要な材料をそろえたりします。しかも決められた労働時間も無いので。仕事が終わるまでマトモな休憩時間も無いし、ましてやストレスのかかる割合が段違い、（作家は自殺する人が多いです。）仕事場が自宅だと逃げ場が無いから、ナイショで外に逃亡して、しばらく音信普通になるということもしばしばです。

人それぞれに都合はあると思いますが、「今の自分にはこれしかない！」などというように、自分の視野をわざと狭めないで、もっと他に目を向けたり、少し考え方を変えたりしたらいいでしょう。ノートに自分の現状と、自分の出来る仕事と能力、これからどうしていきたいか、などを書き出してそれを見直していくのもかなり効果があります。自分の事を客観的に見つめられれば、ヘンな誘いに乗ってしまうようなこともなくなるでしょう。


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